ミャンマーにおきましては、2019年1月に商標法が制定され、ミャンマー知的財産局（Myanmar Department of Intellectual Property, MDIP）（*1）のグランドオープンを目指し体制を整えております。現行の確立されたプラクティスに基づき商標登録を行い、引き続き新法に基づく商標の保護をご希望される商標権者は、新法において再出願する必要があります。


*1: グランドオープン日の正確な日付については現時点で不明であり、確認中です。

今般ミャンマー連邦政府の商業省は、MDIPのグランドオープン前に、グランドオープン時の事務処理負担を軽減するために設けるソフトオープン期間（*2）を2020年10月1日から開始することを定めた告示第63/2020号を発出しました。

　*2:ソフトオープン期間中、認可された現地代理人は、事前に当局のシステムへ現行制度の下で登録された商標の情報を入力することが可能です。

これに関し、弊所提携ミャンマー現地代理人MYANMAR TRADEMARK AND PATENT LAW FIRM提供の当該告示英訳文(*3）及び東南アジア知財ネットワーク事務局（ジェトロバンコク知的財産部内）提供の和訳文（*3）を添付（PDFデータ）にてご案内致しますのでご参照下さい。

*3:いずれの訳文も仮訳であり、オフィシャルなものでは無い点につきご了承下さい。

【ソフトオープン期間中の出願について】

ソフトオープン期間中、商標法施行前にミャンマー市場で実際に使用されていた商標、または商標所有宣言書(DOT)を登録する形で証書登記所(ORD)に登録されている商標のみを出願することができます。

ソフトオープン期間中に出願する商標は、指定区分や商品／役務の記述など、登録済みDOTに表示されている商標の内容と同一でなければならない点につきご留意下さい。商品／役務の記述の範囲は、登録済みDOTの記述を超えて拡大することはできません。

ソフトオープン期間中の出願をご希望で、まだご指示を頂いていない場合は、お早めにご指示頂けますようお願いいたします。弊所が取り扱っている商標については、現時点でご用意頂く必要書類はございません。ただし、ソフトオープン期間中の出願は、最新の登録済みDOTに準じた出願となりますので、ご留意ください。弊所で取り扱っていない商標出願の再出願を希望される場合は、①登録済みDOTの写し、②新聞警告の写し（ある場合）、③ミャンマーでの実際の使用を証明する証拠（ある場合）をご提出ください。委任状については、まだMDIPから所定の書式が発表されていません。書式が入手可能になり次第、改めてご連絡させていただきます。

なお、ソフトオープン期間中の出願サービスにつきましては、無料で提供させていただきます。ただし、出願日（*4）を確保するためには、後日グランドオープン前に発表される予定の正式な政府手数料を納付する必要があります。政府手数料が発表され次第、追って代理人手数料を含む料金表をご案内いたします。政府手数料の納付をご希望の場合は、その際に再度ご指示頂くことになります。

*4：ソフトオープン期間中に出願され、政府手数料が納付されて基礎的要件を満たした出願は、グランドオープンの日が出願日となります。


【使用証拠について】

今後、ミャンマーは先使用主義から先願主義に移行するため、出願日が非常に重要となります。同一又は類似の商標が同じ日に出願された場合、MDIPは、ミャンマーでの実際の使用証拠（*5）を基に登録の可否を決定します。新聞警告が使用証拠として認められることから、まだミャンマー市場での使用を開始されていない（かつ新聞警告をおこなわれていない）クライアントの皆様につきましては、地元の新聞に警告書を掲載する手続きをおこなわれておくことをお勧めします。

*5：出願時に使用証拠の提出が必要であるかどうかについては現時点で不明であり、確認中です。

新商標法はまだ施行されていないため、MDIPが再出願のための更なる要件を追加する、または、異なった法解釈をする場合がございます点につきご了承ください。今後も最新情報が入り次第追ってご案内申し上げます。

新法における商標出願につきまして、ソフトオープン時またはグランドオープン時のいずれかでご確認・ご指示頂いた場合のみ出願手続きを進めさせて頂きます。弊所取扱い案件があるお客様には、その都度ご案内致しますので、その際にはご指示を頂けますようお願い致します。

以上

お問合せ先：商標担当 加藤（trademark@siasia.co.th）